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皆様こんにちは。 そろそろ夏期休暇が終わるという方が多いでしょう。いかが過ごされたでしょうか。 さて,イギリスの法制度の話題ですが,イギリスにはアメリカなどと同様,証拠開示制度があります。 簡単にご説明すると,証拠開示制度とは,(一定の例外の下)裁判において,双方の当事者は,自分にとって有利・不利を問わず,事件に関する証拠をすべて開示しなければならないという制度です。 アメリカではまだ通常Discoveryと呼ばれているようですが,イギリスでは一般的にDisclosureと呼ばれています。 私がロンドンの法律事務所でお世話になるとき,初日だったと思いますが,あるパートナーと日本の裁判制度について会話しました。 その際,Disclosureに相当する制度が日本にはない(一部文書提出命令などはありますが)と説明したところ,大変驚いた様子で,「それでどうやって裁判するの?」と聞かれました。 答えに窮したのを覚えています(笑)。 裁判での事実認定は過去の事象を,後から証拠をもって判断するプロセスですので,自ずと真実発見には限界があります。 そして,相手にとって不利な証拠が相手から出される保証がないという制度ではその限界はさらに狭められると考えるのが一般的でしょう。 このような中,私が出会ったソリシターの考えでは,裁判の機能的限界をわきまえつつ,裁判は真実を発見して白黒決着つける場というより,紛争解決手段の一つ,紛争解決機関の一つという位置づけでとられているように感じました。 もともと限界のある制度。これを利用する側は,裁判を選択すべき場面,選択したとしてどのように進行させるかについて相当に戦略的に考えるべきでしょう。 紛争が生じた場合,裁判に勝つことが目的ではなく,紛争を解決することが目的。 この視点はいついかなるときも持っていなければならないと学んだ次第です。 読んで下さりありがとうございます。 ※本ブログ内の記事等を筆者の許可無く転載またはリンクすることは禁止させて頂いておりますのでご了承下さい。 ※ホームページはこちらです。 →国際・企業法務・顧問業務の弁護士(東京都港区赤坂)
by mkikuchi-law
| 2012-08-17 13:13
| 英国ソリシターから学んだこと
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